いろいろなんでも


by ikeday1
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首相講演

b0050317_2128614.jpg小泉首相が11月30日自民党本部で講演した。その論旨を「さくらの永田町通信」さんが起こして下さっている。実に感銘を受ける講演なので転記したい。ちょっと長いですが、是非、読んでみて下さい。小泉首相という政治家の考え方がわかります。

「そこで、われわれ政策を展開していくうえで一番大事なものは、平和ですよ。60年前、敗戦の痛手もあった。二度と戦争をしてはならない。深い反省のもとに、今日平和を維持しながら、国民政策を良くしていこうというのが政権政党の最大の眼目でした。自由民主党もそうです。いかに日本の平和を守り、そして国民生活を豊かにする政策を展開していくか。平和がいちばん大事なんです。
しかし、一方では、あの戦争の痛みから、軍事力を持つと戦争になるという考え方が未だに強い。しかし戦後60年間、日本は60年前手痛い敗戦を喫しましたけれども、この敗戦直後から今日まで、日本に軍事力がなかった時代は一度もない。一年もない、一ヶ月もない。敗戦後すぐ、米軍が日本に来ました。今日まで、日米安保条約。軍事力があるから、戦争が起こる、そうじゃないんです。もし軍事力がなかったらば、他の侵略しようとする国や組織から、その国を混乱させようとする国や組織から侮られたり、いつでもこの国の国民は抵抗しないんだと思ったら何されるかわからない。それを未然に防ぐために、私は軍事力は必要だと思っています。今日、60年間、平和憲法を持っているから日本は軍事力ないんだと言っている人が一部にありますがそうじゃないんです。60年間、侵略をしようとする組織ないし国を阻止できる、あるいはそのような意図を持って日本に攻撃を仕掛けたならば、手痛いを損害を受けるんだという軍事力がこの60年間、厳然と存在していたという、これを忘れてはならないと思います。

日本は日本一国だけで平和を守ることはできません。だから、アメリカと安保条約を結んで、お互い協力して、平和のうちにいろんな政策を展開していくことができた。これまでの経験からいって、日本は一国で日本の平和を確保できない、独立を維持できない。さまざまな政策を軍事的に混乱させようという勢力を阻止しながら、さまざまないい政策を展開するためには、どこの国と協力していけば一番いいかというのを戦後ずっと考えていた。それは、アメリカであります。あれほどひどい戦争をしたにも関わらず、アメリカは占領した日本の領土、全部返還しております。それは、日本への攻撃はアメリカ国民に対する攻撃だと、日本への攻撃は自分の国への攻撃と同じようにみなすという国は、世界どこの国でもアメリカしかないんです。

そういうのいやだ、アメリカの基地もいやだ、アメリカとの協力もいやだ、じゃあ日本独自でやろうと。独自でそういう侵略勢力から、日本の社会を混乱させないような軍事的な対応、組織的な武力再編、それをいま日本でやっていけるだろうか。もしやった場合には、大変な財政負担でしょうね。国民の負担。じゃあアメリカがいやだったらどこの国と、日本への攻撃は自分の国への攻撃とみなす国があるか。そういって信用できる国があるか。恐らくないでしょう。各国の60年間の実績をみて、どの国を信頼してそういう同盟関係を結ぶかといったら、私は現在アメリカ以外ないと思います。だからお互い信頼関係を維持して、これからも平和のうちにいろんな政策を展開していきたいと思います。

アメリカは本当に守ってくれるのか、アメリカは本当に日本への攻撃を自分への攻撃へとみなすのか、そんなことアメリカはやってくれないぞという人もいるでしょう。しかし独自にそういう考えを持つのは悪いとは言わないけれども、同時にアメリカ国民にとって、日本は本当に信頼できるのか、アメリカの政府の人たちは、アメリカ国民の青年の血を流さざるを得ないような覚悟をして日本を一緒に守る、それだけの価値のある国なのかと、アメリカ人たちはきっと思うでしょう。何で自分の国が攻撃されないのに、日本の国が攻撃された場合に、自国の青年の血を投入して日本人と一緒に守らなければならないのか。日本はそこまでしなければならないような国なのかと、アメリカ人の立場に立てばそう思いますよ。その努力を日本はしているのか、日本はアメリカに一緒に戦ってくれるのかと思うんだったら、アメリカだってアメリカの立場に立てばそう思うでしょう、日本は本当に信頼できるのかと。だからお互い、普段から信頼関係を築いていかなければならない。

この60年間は、アメリカと同盟を結んで、日本はどこの国からも侵略されることもなく、戦争に巻き込まれることもなかった。自衛隊PKO、外国に対しても、一発もピストルを撃つこともなかった、一人も殺すことがなかった、そして多くの国から日本は平和国家として国際社会の中でも大きな責任を担っていると高い評価を受けている。私は今後も、過去の実績からみて、日米関係というのは日本の外交の基本方針であることに変わりはない、日米関係を良好な関係を維持しなければならない、日米同盟というものをしっかりと受け継いでいって、それで世界の各国と仲良くしていくのが現在も将来も当分変えてはいけない、これがさまざまな政策を展開していくうえで極めて重要だと思っております。

その中で、立党50年で、憲法改正論、草案がまとめられました。まあこれから各党と協力しながら憲法改正という問題に自由民主党も取り組んでいかなければならない。そういう中で、私はよく国会でも「あいまいだ」と批判をされましたが、日本の憲法も結構あいまいな文章があるんですよ。一番あいまいなのは憲法9条ですね。「陸・海・空の戦力を保持しない」、今回の憲法改正におきましても、武力による威嚇、武力の行使をもって国際紛争を解決する手段とはしない、これは当然であります。しかし、自衛権が認められて、どのような組織、名前、名称はどうでも、自衛隊でも自衛軍でも国防軍でも、名前、名称はどうあれ、戦力のない組織で果たして自衛できるのかということを常識で考えれば、それは無理ですね。ですからいまの憲法解釈は、戦力に対して特別な意味を持たしてあの憲法9条は憲法違反ではないという解釈に政府も自由民主党も立っている。

しかし、一般国民から見れば自衛隊は違憲じゃないかと、陸・海・空その他の戦力はこれを一切保持しないと、よく議論されるところであります。そういうことから、この憲法9条におきまして、私は分かりやすい表現にした方がいいのではないかと長年思っておりました。自衛隊は戦力でないといっても、専門家の中では、憲法学者の中でも意見が分かれている。違憲かどうか。こういう大事な、国の平和を守るために侵略勢力を阻止する、そのためにはある程度戦力を持たないとそりゃあ無理がないかというのは、私は極めて常識的な考え方だと思います。

憲法改正がイカンという人は、自衛隊が憲法違反だという考え方の人と、自衛隊は憲法違反ではないという考え方の人がいます。非武装中立がいいという人もいます。自衛隊は要らないと。しかし、非武装中立というほど無責任なものはないと私は思っています。政治にある者として、ひとたび責任ある立場に立てば、最も大事なのは国民の生命と財産を危機に瀕した場合いかに守るかです。そのとき非武装中立で、戦力のような組織を持たない方がいいといった場合、侵略しようとする勢力に対して、誰に戦えというのでしょうか。訓練もなく、日頃の準備もなく、一般市民に対して戦えというのと同じじゃないでしょうか。泳ぐことができない人に、お前飛び込めというのと似たようなもんじゃないでしょうか。だから、専門家集団。一般国民まで軍事訓練なんかできないでしょう。だから、特別に設置された訓練された組織を持つ。こういう勢力があるから、侵略をしようとした勢力に対して、これは日本を侵略した場合、混乱させようとして攻撃した場合、大変な抵抗にあうなと。そしてアメリカと協力して、日本と戦う場合は、アメリカとも戦う覚悟がないとできないなと。これが戦争の抑止力になっているわけです。

戦争になったらどうしようかという実験なんかできないんです。責任ある政策するためには、いかに未然に防ぐか。ちょっと実験してみようなんて、そんな無責任なことできない。いかに戦争を一度もしないで国民生活を向上させるかを考えるのが私は政治の責任ではないかと思っております。そういう意味において、これから憲法改正論、この9条をめぐる論議というのは、よく国民の間でもしていかなければならない。これは自民党だけで改正できるものではありません。公明党民主党、多くの国民の協力を得て、日本としての新しい時代にふさわしい、そして分かりやすい文章で日本の基本的な国のあり方を改めて考える、結党50年を契機にこれから大事なことだと思っております。

私は総理になってから、国際会議に何回か出ています。今月、先々週ですか、APECの会議が韓国釜山で行われました。いま日中関係・日韓関係がぎくしゃくしていると言いますかね、靖国の問題をめぐって首脳同士の交流が途絶えているという面がありますが、私は日中友好論者、日韓友好論者であります。アメリカとの友好関係を大事にしながら、同盟関係、信頼関係を強化していきながら、中国とも韓国ともそしてロシアとも、世界各国と仲良くしていこう、これが私の一貫した考え方であります。その中で、なぜ私が靖国神社に参拝するのか。これは、何回も申し上げておりますが、今日本の社会はいまだかつてないほど豊かで平和であります。この平和のありがたさをかみしめなければならない。それは、60年前に心ならずも戦場で命を落とさなければならなかった方々、そういう尊い犠牲のうえにあるんだと、いま生きている人たちだけで今日の平和が与えられたんじゃない、二度と戦争を起こしてはいけない、そして苦しかったであろう、戦争なんかしたくなかったであろう、もちろん家族と別れて戦場に行きたくなかっただろう、そして尊い命を落とした、そういう方々の犠牲というものうえに今があるんだということを忘れてはならないという意味で、総理大臣である小泉純一郎がひとりの国民として、参拝してるんです。これに対して、なぜ批判されるのか分からない。日本国民から批判されるのも分からない。ましてや外国から批判されるのが分からない。

どの国でも、平和への祈りとか、戦没者に対する哀悼の念をあらわしています。特にいわゆる文化的進歩人(→と総理はおっしゃってました)と言われる方は、靖国参拝、私が行くことに反対してますよね。あれが分からない。憲法は9条だけじゃなくて、19条に思想および良心の自由、これを侵してはならないと明記されている。まさに精神の自由じゃないですか。どの神社にお参りしようが、どの教会にお参りしようが、二度と戦争を起こしてはいけない、戦没者に哀悼の意を捧げる、これを日本中がこれを批判するのが私はまだ分からない。中国が批判するのも韓国が批判するのも分からない。まさに精神の自由を人からお参りしてはいけない、お参りしろとか言われる問題ではないと思うんです。

「みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会」がありますよ。私は一度も参加したことがありません。みんなで参拝するもんじゃないだろうと思っているから、一度もあの会に入会したこともない。誘われて一緒に行ったこともないし、人を誘って行ったこともない。これは、個人の自由です。憲法違反とかそういう問題じゃない。伊勢神宮なんて私はちゃんと堂々とみんなの見てる前で、神道形式に則って参拝してますよ、毎年。何人かの閣僚も一緒に。そうしたから国が特別に神道を奨励しているのか、それはそうじゃないですね。私は神道を奨励しようとかそういう気持ちで参拝してるんじゃないんです。そういう点を理解してもらうには、時間がかかるんですかね、やっぱり。60年間という戦争の。過去の歴史というのは。

そしてそのAPECの会合で、中国の胡錦濤国家主席も出席しておりました。韓国の盧武鉉大統領は議長役でした。ブッシュ大統領も、プーチン大統領も出席してます。その会議の首脳が全員集まったところで私はこういう話をしたんですよ。日中関係、日韓関係、いまだかつてなく経済も文化も人も交流が盛んだと。私は日中の友好、日韓の友好、極めて重要だと考えていると。これからも日中関係、日韓関係、重要視していくと。たとえ首脳の往来がなくても、両国民は日中関係を極めて相互依存的な関係、お互い関与していこうという関係になっていくべきだと。現にかつてないほどお互い相互依存関係、相互補完関係が変わっている。いまや日本の貿易量は、かつては日本とアメリカの貿易量が世界最大だった。いまやアメリカを抜いて、日本と中国の貿易関係が第一位になっている。

どの国でもお互い、ひとつやふたつ対立点はあるでしょう、意見の違いはあるでしょう、過去戦争したことがあるでしょう。ブッシュ大統領とベトナムの国家主席、隣に座っていました。ブッシュ大統領もベトナムの主席も、30年前戦争したでしょう、いまお互い仲良く話しているじゃないですかと。プーチン大統領。領土問題で日本と全く立場が違う。しかし立場が対立しているからプーチン大統領の日本訪問を私が歓迎しないかといったら、私はプーチン大統領が日本に来られるのを歓迎する、会談もする。話し合いのなかでその意見の対立を解消していかなければならない問題だと。ペルーの大統領とも、フジモリ氏の問題でいま対立しています。しかし、ペルーのトレド大統領はフジモリ氏の問題、厄介な問題はあるけれども、日本との友好関係は発展させていきたいと私と立ち話をしました。お互いにそうなんだ、ひとつやふたつの意見の相違や対立があっても、これがあるから全体がおかしくなってはいけない、そういう気持ちでいろんな国との関係を考えていかなければならない。そういう考えを申し述べまして、二国間関係、経済関係、環境問題、いろんな問題を話し合ったわけですけれども、この考えに私はいまだに変わりありません。ですからこの靖国の問題は外交カードにはなりません。これからも、いまも一定の国との間に相違点やぎくしゃくした問題があっても、長い目で見れば将来理解される問題であろうと思っております。」

いやぁ。。。すごい。こういう人が総理大臣だったんだね。
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by ikeday1 | 2005-12-03 21:28 | 危機管理