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いろいろなんでも


by ikeday1
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EU雑感

EU雑感_b0050317_13452260.gifアメリカは喜んでいるだろう。そもそもEU構築の発想は、地域に置ける共通の利益を共有するために、先進国が多いヨーロッパの国々でお互いの通貨を共通にして、関税を撤廃、統一した政治指針を掲げて各国が共に繁栄するというものであった。各国はまるで一国であるかのように振る舞い、国際競争力を増大させる。その一方で、国連に置いては一国一票の原則を堅持して、EUの意向に対しては常任理事国フランスを含む多くの票が評決に作用し、安保理決議にさえ大きな影響力を持つ機関となるはずであった。この背景には世界大国として君臨する米国の力に対抗し、米国が押し付けるグローバライゼイションを否定して、ヨーロッパが再び世界の中心となって世界をリードする目的があったことは明白である。当然米国としてもそのような意図を認めるわけにはいかないために、陰では様々な圧力をかけているのだろうが、EU憲法が採択され、各国による批准の段階に入った時点で、その危機感は非常に大きくなっていたものと推察される。

アメリカにとって、EUが統一的に動き出し、国連を左右するようになる危惧を具体的に感じさせたのは、イラク戦争に置けるフランスとドイツの反対運動だろう。これにより、国連ではアメリカの開戦をあからさまに非難し、アメリカは同盟国イギリスと開戦に踏み切らざるを得なかった。この行為は国際的な非難を浴び、国内では、国際社会を無視した孤立主義と非難される。アメリカにとってみれば、フランスとドイツの動きは許されざる暴挙だったに違いない。この動きがEU全体の統一運動として起こっていたらどうなるのだろうか?アメリカのイラク戦争に協力した、いわゆる「有志連合」には、EU加盟国である英国、イタリア、スペインなども参加しており、EUが全体としてイラク戦争開戦に反対していれば、これらの加盟国も有志連合に参加することはできなかったかもしれない。

アメリカに取ってみれば、このような国際的に巨大な政治力を持つ機関の存在を許せるはずもない。特に、その政治指針が反アメリカであるならなおさらである。アメリカはその憲法批准に対していかなる妨害工作もするだろう。今回のフランス、オランダによるEU憲法の批准に対する国民投票の結果は、CIAなどアメリカ国家機関による工作が成功したものと信じて疑わない。

ついさっき、EUの予算策定に関しても、意見の一致を見ることができず、決裂したというニュースが飛び込んできた。EUはまたまた迷走を深めるのか。。。アメリカの勝利はいつまで続くのだろうか?興味は尽きない。。
by ikeday1 | 2005-06-18 13:36 | 日頃の思い